日時 |
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平成20年10月10日(金) 16:00-17:30 |
場所
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発達障害研究所 1階共同セミナー室
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演題 |
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脳形成障害を伴う福山型筋ジストロフィーおよび類縁疾患の病態解明と治療へむけて |
講師 |
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戸田 達史 教授 大阪大学大学院 医学系研究科・臨床遺伝学
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講演要旨
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福山型先天性筋ジストロフィ−(FCMD)は、先天性筋ジストロフィ−に多小脳回などの神経細胞移動障害を伴う常染色体性劣性遺伝疾患であり、日本人に特異的である。
我々は、FCMD原因遺伝子を同定し、原因蛋白質をフクチンと命名した。さらに福山型類縁疾患muscle-eye-brain(MEB)病の原因遺伝子が糖転移酵素POMGnT1であることを証明した。FCMDやMEB、Walker-Warburg(WWS)症候群、肢帯型2I型などに共通した病態として、αジストログリカンの糖鎖修飾異常が発見され、αジストログリカノパチーという新しい疾患概念を提唱した。糖転移酵素の欠損によりαジストログリカンの糖鎖修飾が乱れ、ラミニンなどとの結合ができなくなり、脳奇形を伴う筋ジストロフィーが発症していると考えられている。
FCMDの病態解明、および治療法の構築には、モデルマウスを用いた研究が不可欠であるが、フクチンノックアウトマウス、キメラマウス、insertionノックインマウスを作製し、解析を行っている。ここでは「糖鎖異常と筋ジストロフィー」を中心に、福山型の治療戦略についても触れたい。
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