ノーベル生理医学賞を受賞した研究のほとんどが、動物を使って得られた成果であるように、動物実験はこれまで人類に多大な貢献をしてきました。しかしながら、崇高な科学研究のためだからと野放図な状態での実施が認められているわけではありません。実際、日本で動物実験を行うには、国が定めた各種法令を順守する必要があります。国際的な世論の高まりや科学技術の著しい発展を受け、これらの法令も改正が行われてきました。重要なものとしては、平成18年改正の「動物愛護法」、平成16年施行の「遺伝子組換え生物法」、そして平成17年と昨年改正された「感染症予防法」などがあげられます。近年では、生命科学研究に携わる研究者は、これらの法律に精通し、実験動物を適切に取り扱うことが責務となりつつあります。本講習会では、これら法令の概略と由来、どのようなことが規制されそして順守すべきなのかをお話ししたいと思います。
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