前  周生期学部 研究テーマ(その3) 次


モワット-ウィルソン症候群の病態形成の理解に向けたモデルマウスの開発

  • 高木 豪 (愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所、周生期学部)
  • 東 雄二郎 (愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所、周生期学部)

 先天性発達障害の一つでありますモワット-ウィルソン症候群(MWS)はSIP1 (Smad Interacting Protein 1)遺伝子の突然変異により生じます。モワット-ウィルソン症候群は、重度知的障害、特徴的な顔貌を主とした特徴としています。また加えて脳梁欠損、巨大結腸症などの症状が場合によって伴って見られます。モワット-ウィルソン症候群の病態を正しく理解して、その症状の改善につながる手法を考案するために、モワット-ウィルソン症候群と同様の症状を示すモデル動物の確立が望まれています。そのために、私たちは、ヒトのモワット-ウィルソン症候群で実際にSIP1遺伝子に突然変異が生じる精子、卵子の段階で、特異的にSIP1遺伝子変異を導入できる遺伝子変異マウスを作製しました。現在、この変異マウスがモワット-ウィルソン症候群のモデル動物として本当に適切なものか検討を行っています。今後その有効性が確かめられれば、この変異マウスを詳細に解析することによって、モワット-ウィルソン症候群の治療と関連する様々な問題にアプローチできると考えています。