発生障害学部「情動のコントロールに関わるタンパク質を発見」記事 |
情動のコントロールに関わるタンパク質を発見
〜うつ病の病態解明・新規抗うつ薬の開発につながる成果〜 |
県心身障害者コロニー発達障害研究所では、これまで生体における働きが不明とされてきた「HDAC6(ヒストン脱アセチル化酵素6)」とよばれるタンパク質が、脳のセロトニン神経細胞*に多く含まれること、このタンパク質の働きが情動行動**の制御に関わることを明らかにしました。さらに、HDAC6の働きを抑制する薬剤には、抗うつ薬と同様の効果があることを、マウスを用いた実験で確認しました***。
本研究成果は、うつ病の病態解明や新しい作用メカニズムを有する抗うつ薬の開発につながることが期待されるもので、このたび国際学術誌(米科学誌・プロスワン)に掲載されました。 |
*セロトニン神経細胞:感情の制御に深く関与する神経細胞であり、うつ病等の気分障害や自閉症の病態との関連が知られている。また、抗うつ薬のターゲットとされる神経細胞である。
**情動行動:ここでは本能的な欲求(情動)に誘発される行動を表す。例えば、恐怖や不安から誘発される回避行動や逃避不可能なストレスによって誘発される活動低下など。
***名古屋市立大学大学院薬学研究科宮田直樹教授グループとの共同研究。
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記者発表(愛知県ホームページ):http://www.pref.aichi.jp/0000048681.html |