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自閉症スペクトラム障害のある子どもの家族支援の方法に関する研究

  • 研究代表:竹澤大史(愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所、教育福祉学部)

自閉症スペクトラム障害(ASD)のある子どもの養育者は、定型発達児や他の障害のある子どもの養育者に比べ、抑うつ感や育児ストレスが高くなることが報告されている。このため診断を受けて間もない時期に、障害の特徴や育児の方法に関する知識を伝達し、養育者の不安感やストレスの軽減を図ることが重要である。
コロニー中央病院で診断を受けた幼児の養育者を対象に、小集団による心理教育プログラムを実施した。コロニー各施設の専門家がASDの特徴や育児、福祉サービスに関する講義を計6回行った。プログラムの開始時と終了時に、養育者の育児ストレス(PSI)及び抑うつ度(BDI-U)を測定し、プログラムの効果を検証した。プログラムの終了時に、養育者のPSI得点及びBDI-U得点が有意に低下したことから、プログラムに参加することによって養育者の育児ストレスと抑うつ感が軽減された可能性が示唆される。今後は研究デザインや評価方法について検討するとともに、フォローアップの機会を充実させるなど、より効果的なプログラムの開発を進めていく。