前  発生障害学部 研究テーマ(その3) 次


Hdac6遺伝子欠損マウスの行動薬理学的解析

  • 深田斉秀(愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所、発生障害学部)
  • 竹島京子(愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所、発生障害学部)
  • 川口禎晴(愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所、発生障害学部)

 いくつかの行動テストにおいて、Hdac6遺伝子欠損マウス(Hdac6 KOマウス)は情動に関連した異常を示します。例えば、尾懸垂試験においては、Hdac6 KOマウスはまるで抗うつ薬を投与されたかのような行動(抗うつ様行動)を示します。私たちは、この抗うつ様行動の原因を調べるために、抗うつ薬、抗精神病薬、HDAC6阻害剤等がマウスの行動に与える影響について検討しています。これまでに、HDAC6阻害剤にはマウスに対して抗うつ薬様の効果があること、またその作用機序は既製の抗うつ薬であるSSRI, SNRIとは異なることがわかってきました。今後、Hdac6が情動行動の発現にどのように関与するのか、その詳細な分子メカニズムを明らかにしていきます。