前  機能発達学部 研究テーマ(その5) 次


重度の身体障害のある人のためのパソコン支援技術

  • 青木 久(愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所、機能発達学部)

 パーソナルコンピューターのマウスが使えない重度の運動障害のある人がパソコンを使用するために、一つのスイッチでマウス入力を可能にするマウスエミュレーター「ハミングマウス」(詳細、別ページで開きます)を開発しています。ハミングマウスは、カーソルの移動方向とクリックとを割り当てた音を聞いて、マウスのコマンドを選択します。使用当初は、音で判断することに戸惑いがあり操作は不正確でしたが、使用を続けるにつれて音とマウスのコマンドとの対応を修得し、スイッチ操作の正確性が高まりました。マウス入力を行うときに、画面から視線を外すことなく音を聞きながら一つのスイッチで操作できるので、ただ一つの動作しか残されていない最重度の運動障害がある場合にも、パソコンのグラフィカル・ユーザー・インターフェイスが利用しやすくなりました。