前  機能発達学部 研究テーマ(その6) 次


重症身体障害児(者)用電動車椅子コントローラーの開発

  • 青木 久(愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所、機能発達学部)

 ジョイスティックを使用することの困難な重度の運動障害を持つ人が電動車椅子に乗るために、一つのスイッチ操作で操縦できる電動車椅子コントローラー「ハミングコントローラー」(詳細、別ページで開きます)を開発しています。ハミングコントローラーでは、前進、右回転、左回転、後退を表すド、ミ、ソ、ドの音階を順に鳴らし、音に合わせてスイッチを入れることで電動車椅子の進行方向を選択します。また、衝突を防止する安全システムとして、超音波センサやバンパースイッチを接続する強制停止信号入力用端子を設けました。この端子に信号が入力されると、車椅子は停止して、停止信号が解除されるまで停止する前とは逆の方向に走行して危険な状態から待避します。これまでに、ハミングコントローラーを接続した電動車椅子の試乗会では、多くの参加者が生まれて初めて「自力」で移動する喜びを経験しました。