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環境中の化学物質に起因する障害の発生とその防御
− 活性酸素の細胞毒性とそれに対する細胞の防御機構−

  • 武藤宣博(愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所、遺伝学部)
  • 川端優男(愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所、研究企画調整科)

 活性酸素は酸素分子が不完全に還元されて生じる反応性の高い物質であり、生活習慣病の原因として注目を集めている。活性酸素はどのような細胞に対しても高い毒性を示すことから、胎児に対しても悪影響を及ぼし障害の原因となると考えられる。そこで、活性酸素が細胞に対してどのように作用しているのか、そして細胞は活性酸素の毒性をどのようにして防いでいるのかを明らかにして、障害の発生を予防することを目的として研究を行っている。活性酸素は、反応性が高く細胞内の物質と無差別に反応すると考えられているが、活性酸素ストレスを細胞にかけたときに酸化されるタンパク質を調べたところ、特定のタンパク質が酸化されやすいことが明らかになった。また、活性酸素ストレスをかけるときに用いる薬剤によっても細胞の活性酸素に対する反応が異なっていることも明らかになった。これらのことから、活性酸素の細胞への毒性が活性酸素の高い反応性による無差別な細胞内分子の酸化によるという、従来の考え方で起こっているだけはなく、活性酸素の細胞内での発生場所や発生様式も細胞への毒性に大きな影響を持っている可能性が示唆された。そこで活性酸素の細胞への作用様式とそれに対する細胞の防御機構についての詳細な検討を行っている。

関連論文
  1. Mutoh N, Kawabata M, Kitajima S: Effects of four oxidants, menadione, 1-chloro-2,4-dinitrobenzene, hydrogen peroxide and cumene hydroperoxide, on fission yeast Schizosaccharmoyces pombe. J Biochem 138: 797-804, 2005.

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